紙芝居活劇オペラ 怪人フー・マンチュー

「世界は再びわたしの声をきく!」

霧の四馬路の上海を舞台に、闇に踊る黒支那服のフー・マンチュー

 

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原作:サックス・ローマー

台本:寺山修司

演出・音楽・美術:J・A・シーザー

構成台本・共同演出:高田恵篤

 

◎未完のオペラ「名画組曲 『怪人フー・マンチュー』」誕生記

『怪人フー・マンチュー』は、寺山さんとわたしがフィレンツェのホテルで缶詰めで作り上げた思い出とともにある。

天井桟敷の『奴婢訓』フィレンツェ公演後、三日間ほどの休暇を利用して、今回のイタリア巡演では行かないローマへ行こうとしていたわたしを引き止めたのは寺山さんだった。

『身毒丸』に次ぐオペラ作品を作りたがっていたわたしの提案に寺山さんが賛同し、イタリア公演の最中に二人で作ろうと約束していたのだった。

「『怪僧ラスプーチン』でしたね?」

「名画組曲『怪人フー・マンチュー』にしたよ」

「クリストファー・リーのあの映画ですね?義和団事件で虐殺された両親たちや中国人たちの復讐を誓い、イギリスの著名な人たちを次々に殺害していくという・・・」

「うん、僕に少しアイディアがあるんでね」

「分かりました・・・」

「じゃ僕が作詞するあいだ、あなたは・・・」

「・・・庭で日光浴でもしてます」

 

寺山さんの詞を受け取って、ローマでの休暇から俳優達が帰ってくるまでのわずか6,7時間で作曲した。

「名画組曲『怪人フー・マンチュー』」、「名画組曲『怪人フー・マンチュー◎思想篇』」と2回試演したが、

映画『さらば箱舟』の撮影や寺山さんの体調のこともあり、オペラ化の実現にはついに到らなかった。

そして1999年、手元に残っていたじ十数枚の原稿用紙をもとに万有引力が「原色紙芝居オペラ『怪人フー・マンチュー』」として作品化した。今回は高田恵篤がその台本にさらに手を加え、さらなる作品化に挑む。